
ベトナム人との結婚手続きの事例紹介
最終更新日:2025年2月2日 行政書士 勝山 兼年
婚約者のベトナム人が、技能実習生で実習プログラムの終了まで、相当な期間がある場合に、ベトナム人が日本に居る間に結婚手続を済ませておきたいとの相談があります。
相談に対しては、結婚手続きを進めるにあたって、状況を確認させていただきます。日本人が実習先会社に勤務しているのか?会社はこの結婚を知っているのか?結婚を知っている場合は、会社からの承諾があるのか?
もちろん、結婚は両性の合意があれば法律上できない事はありませんが、実習生は在留資格に応じた活動することで日本での滞在が許可されています。実習先会社は実習生としての活動をするためにプログラムを組んで、決められた期間を過ごしてもらう事に責任を持っています。会社は結婚をすることで、この実習プログラムに支障がでると当然判断します(管理団体も同様です)。ですので結婚を認めることは稀でしょう。日本人が同じ会社で勤務している場合は、会社に逆らって事を進めることは容易ではありません。勤務先会社に相談して、結婚する事の了承が得られない場合は素直に従いましょう。どうしても、早く結婚したいのであれば、会社には知らせずに進めてください。しかし、将来、扶養控除の手続きなどで、会社に知られることになります。
また、日本人がベトナム人実習先と関係のない場合は、結婚手続きを進めても実習先会社から了承など求めなくてもすることができます。しかし、その場合であっても在留資格を「日本人の配偶者等」に変更する場合は、実習先会社の協力がなければ出来ないので、実習が終了するまで待って、ベトナムに戻った後にベトナム人を配偶者として日本に呼寄せることになります。結局、早く結婚しても在留資格が「日本人の配偶者等」になるのは技能実習終了後です

技能実習中のベトナム人と結婚をしても、周りが迷惑するだけで、余りメリットがないため、実習プログラム終了を待ってする事をお勧めします。

②ベトナム駐在勤務の時に知り合ったベトナム人女性と結婚する場合
勤務先業務でベトナム滞在中に、カラオケ店や日本料理店で知り合ったベトナム人と結婚したい場合は、先にベトナムですることをお勧めします。ベトナムでの結婚は書類の提出、健康診断、面接、婚姻登録など何度も役所に二人で出向かなくてはならず、日本に住んでいる状態では困難なのですが、日本人がベトナム在住であれば容易に進めることができます。
結婚後、日本人が日本へ帰任する場合、ベトナム人配偶者が日本で暮らすために在留資格「日本人の配偶者等」の許可を得なければなりません。この許可を得るために手順は二通りあります。

Ⅰ:日本人配偶者だけが先に日本に帰国し、日本国内に住民票を移したうえで、日本人が身元保証人となり、住所地管轄の入国管理局にて「日本人の配偶者等」在留資格認定証明書交付申請をします。在留資格証明書が交付されれば証明書をベトナムの配偶者に送付し、最寄りの日本国大使館領事館に査証申請をします。査証が発給されればベトナム人は来日し、空港で在留カードの発行を受け市役所で住民登録してください。
Ⅱ:ベトナム人配偶者も日本人配偶者と同時に、日本に入国したい場合は、予め最寄りの日本国大使館領事館にベトナム人配偶者の短期滞在査証申請をします。その際には日本で暮らす親族などに身元保証人になってもらう必要があります。短期滞在査証の日数は必ず90日にしてください。査証を得て日本入国後、日本人配偶者は住民票を日本国内に移し、住所地管轄の出入国在留管理局にてベトナム人配偶者の「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請をします。在留資格の変更が許可されましたら、出入国在留管理局で在留カードの発行を受け、市役所にて住民登録してください。
上記二通りありますが、日本人が転職する場合などは、直ぐに日本で一緒に暮らすことは困難になります。

近年SNSなどで海外の方と知り合い、チャットメールで気軽にやり取りできるようになりました。また、ビデオチャットを使えばLIVEで顔を見ながら会話ができるようにもなってきています。
親しみが増して、交際に発展していく中で、いつも傍に居てもらえるようにベトナム人交際相手の在留資格を模索する方もいますが、そのような状態でのベトナム人が日本に在留できる在留資格はありません。二人が日本で一緒に暮らすのでしたら、日本とベトナム両国で法律上結婚を成立させ、出入国在留管理局にて「日本人の配偶者等」の在留資格手続きをしてください。ただし、結婚が成立したとしても、結婚に至るまでに深い交際をしたことを示さなければ許可はなされません。チャットメールでどれだけやり取りを重ねても、十分とは言えず、出入国在留管理局の審査では直接会ったことが重要視されます。直接会うとは日本人がベトナムを訪問することや、日本人が身元保証人となりベトナム人の査証の発給を受け日本に招待することです。お互いがその国を訪れたときは、家族にも会ってください。ツーショット写真や家族との集合写真がその証明になるので背景が解るよう写真を撮っておいてください。
現代の技術で、異国の方とお手軽に知り合うことができる様になりましたが、出入国在留管理局の在留資格手続きにおいては、メールのやり取りではなく、時間と費用をかけた直の交際を審査しているのです。
交際相手に短期滞在査証で日本に来ることを拒まれることがあります。配偶者としてのビザでなければ日本には行かないと頑なに主張する相手は、日本に来ることが結婚生活以外の目的があるかもしれませんので、結婚相手として相応しいか検討し直してください。働くことが目的で、結婚は日本入国の偽装であるかもしれません。

日本人が男性の場合は、日本国、ベトナム国共に再婚禁止期間の法令は有りませんので、離婚後直ぐに結婚ができます。しかし、実務上は離婚届が受理されても直ぐに戸籍の記載に反映されるわけではなく、数日を要します。離婚が反映された戸籍がないと法務局で婚姻要件具備証明書が発行されませんので、離婚後10日程の時間をおいて結婚手続きが開始できます。
一方、女性が日本人の場合は再婚禁止期間の規定が日本には100日間、ベトナムでは6か月間設けられています。具体的には離婚後の戸籍謄本に離婚日が記載されていますので、法務局で婚姻要件具備証明書の発行を申請しても、再婚禁止期間中であれば申請が受け付けられません。
なお、直接、市役所で婚姻届けをする際には、女性は妊娠していない事の証明を提出すれば、婚姻届が受理される場合があります。妊娠していない証明書は市役所の判断にもよりますが、公立病院などで診断書を発行してもらえばよいでしょう。

ベトナム人女性がベトナムで独身証明書の発行を受ける際にも、再婚禁止期間である場合はなされません。100日を待って手続きを進めてください。
ベトナムでは離婚をする場合は裁判離婚のみです。日本でする場合もベトナム人同士であれば、日本の市役所は離婚届では受理してもらえず、管轄の家庭裁判所で調停の申し立てをして、調停が成立した上でないと離婚できないのです。
婚姻中のベトナム人女性と結婚する場合は、調停手続き、再婚禁止期間など、結婚できるまで相当な時間を要することになります。
